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昨年のある日、いつも高校に通勤している途中の裏道で車をこすった。見通しの悪い交差点で左折しようとしたところガギグッ(いつ聴いてもイヤな音だ)と左後方から盛大な音がしたので降りてみたら、なんともKYなところに短いポールが新設されていて、車の左後部のボディを当ててしまったのだった。ちくしょ誰だこんなところにポール立てたヤツは〜。案の定、同じようにこする車が相当多いらしく、ポールはみるみるうちに傷やらへこみやらでどんどん醜くなっていった。それが気になった。
これは、そのサンドバッグのように打たれて毎回表情が変わりすさんでゆくポールのけなげな姿を長期にわたってとらえ続けた愛と感動の記録である(?)。

どこにでもあるポール。しかし立てたところが悪かった。すでにおびただしい傷が・・・。
一日に何度も痛い思いをして、それでも寒い中に立ち続け、きっとマッチ売りの少女のような心境だったろう。

しかし!あるとき彼の頭に立派な帽子が!誰か見かねたか苦情が出たのか知らないが当局が被せたのだろう。まるでロンドンの近衛兵のように凛々しくもあり誇らしげでもある。これで目立つからもう大丈夫!・・・しかしここからが本当の苦難の始まりだった。

高校の長期休暇でしばらく通らない日が続き、新学期が始まって久しぶりに会ったとき、彼は変わり果てた姿で立っていた。おぉポール、いったいお前の人生に何があったのだ!
それを想像させるような出来事を、その後目の当たりにした。
そして次の日・・・(涙)

・・・人生始まりがあれば終わりもある・・・。安らかに眠れよ・・・
と思った1週間後・・・

ジャーン!
こうなると、ここまでかたくなに直し続ける人物のことが気になってくる。
おそらくその人の中では、歩行者の安全のために、とか、内輪差に注意、とかいう大義はもうすでにどっかに吹っ飛んでいる。ただひたすら、ポールよ、お前のために。あぁこんなところに立ててしまった私を許しておくれ。
そして2日後。

すでに小首をかしげているポール・・・
・・・いい加減に抜いてあげようよ、当局さんよ。余計危ないって。
そして広い草原にでも立ててあげようよ、などと本末転倒なことを考えてしまった。